観て参りました『鋼の錬金術師 完結編 復習者スカー』。少年ガンガンにて連載されていた荒川弘著の漫画の実写化映画ですね。
前作となる『鋼の錬金術師』が2017年公開でしたので、約5年の月日を経て続編が公開されたことになります。
ハガレンの単行本は全巻もっておりまして、子どもの頃は、PS2ソフトの「鋼の錬金術師 飛べない天使」にはまったのをおぼえております。
青春をともにしたこの作品の映画、観に行かないわけにはいきません。
ハガレンの良さは、私的に…
・個性的なキャラクター
アニメのキャラを好きになるって素敵なことですよね。フィクションをフィクションと知りながら、それでも心の底から共感し、感動できる人こそ精神的に豊かな人間だと思います。自分がキャラにあてがっていた理想を大人になっても思いを馳せたりすることで、思わぬ自己理解につながったりします。よい漫画にはよいキャラクターが魅力となることは間違いありません。ハガレンも例にもれず個性的なキャラクターが物語を豊かにしています。モブキャラかと思われた人物を物語上、重要な役割を果たしていたりと。でてくる人物に無駄がなく、愛があるように思うんですよね、ハガレン。悪役の面したキャラとか異形なキャラとかたくさん登場しますが割と仲間になります。”多様性”を視覚的にあらわしている。漫画でこそやりやすい表現をふんだんに使った作品といえますね。
・一貫した物語、世界観
全27巻の単行本で一つの物語であるハガレン。”エドとアルの旅”が一度もぶれずに、ストーリーが展開しているんですよね。話しと話の断絶がない。ほかの作品だと、「バトルのための舞台」がこまぎれになってる感が否めないんですが。ハガレンだと、「舞台のなかでのバトル」が一貫しているんですよね(説明へたくそすいません)。では、映画のほうの感想から記事をしたためますー。
感想
リード文であげましたわたし的ハガレンのよさに照らしたうえでの一言としては…
①個性的なキャラクター ⇒ 良き!
②一貫した物語、世界観 ⇒ むむむ…
って感じでした。
まず、①なんですけど
人気キャラのつるべ打ちでテンションあがりましたね。造形もさすがでちゃんと忠実に再現されておりました。原作どおりであれば前作に登場していただろうキャラが今作で出揃っていたり、各キャラの特徴をとらえた演技、演出がされていて読者としてにやけるシーンがたくさんありました。
一方、②なんですけど
ストーリー運びが急ピッチでしたね。27巻もの大作を3本の映画にまとめるのは無理があるなと思ってしまいました。
キャラクター紹介
↓↑
名シーン詰め合わせ
を繰り返し、且つ、ストーリーを大胆に割愛&原作通りに進む。
ここで問題になってると思っちゃうのが、ハガレンは①と②が有機的につながっているからこそ面白い物語だと思ってまして、いろいろなキャラクターの心情が物語にちゃんとリンクしているんですよね。ファンタジー、アクションも楽しいですが、ヒューマンドラマのほうもしっかりしているのがハガレン。
そこを描くためにはやっぱりキャラの深堀が必要で…と考えると今作はそこが気になりました。
キンブリーへの期待
わたしが今作で大変注目していましたのが、ゾルフ・J・キンブリーです。
「紅蓮」の二つ名を持つ国家錬金術師。己の意志を貫き美しく生きることのみに価値を見出し、人間でありながら人造人間に加担している。イシュヴァ―ル殲滅戦に参加した。
引用:映画『鋼の錬金術師 完結編』オフィシャルサイト
ハガレンで一番好きなキャラがこのお方。
俳優の山田裕貴さんが演じております。『先生を消す方程式。』『ここは今から倫理です。』どっちも教師役で、どっちも「。」があります。シリアス~怪演まで演じきる山田さんならキンブリーを託せる!ってかってに思っておりまして。
で、実際どうだったかと言いますと「お!これは期待できる」って感じでした。”期待”としたのは、登場シーンが少なく、判断しかねるからですねー。ただキンブリーは主要人物で、原作に忠実な映画でしたので、次回作でもっと堪能できるわけです。
ビジュアル的にキンブリーと山田さんとで似通っているのが”目”ですね。なんかのバラエティー番組で山田さんがご自身で「目力がポイント」とおっしゃっていました。
細くツリ目なキンブリーを体現するのに山田さんの目力がうまくシンクロしてくれそうです。
キンブリーの信念
キンブリーのなにがいいかと言いますと…
”信念の強さ”です。
信念 = それが正しいと堅く信じ込んでいる心、とあります。
上記の「己の意志を貫き美しく生きることのみに価値を見出し」の部分が彼の信念をよくあらわしています。原作では狂気じみたキャラクターとして描かれておりまして、人を葬ることに喜びを感じる描写がたくさんあります。その点を、ほかの人物に揶揄されたりしています。
それで、キンブリー自身、自分が”異端”であることを理解しています。そして、それを踏まえたうえで、その異端さを、なにかのために、だれかのために決して曲げないんですね。揶揄されようと、それ以上の弊害があろうと、決して信念を曲げないんです。
世界からしてみれば異端である自分、そんな自分自身を受け入れている。
諸行無常、各人や時代により価値観は変わる。生きるうえで、なにに依拠すべきかに絶対的な正解はない…であるのであれば、どうせなら自分自身に依ろうじゃないか。そんな感じの生き方をキンブリーはしているんだと思うんです。
キンブリー VS 世界
という構図になんのためらいもない。
ハガレンの人物は物語のなかで、心がぐわんぐわん揺さぶられるんですね。ただ、キンブリーだけは最初から最後まで一貫した心をもち続けています。
また、殺戮行動に狂気のキンブリーがのぞかれますが、それ以外の、人に対しての振る舞いや発言は、きわめて普通なんですね、むしろジェントルマンです。理性的なキンブリーを目の当たりにすればするほど、”異端”を実行するキンブリーの信念の強さが浮き彫りになっている。
本当に素敵です、わたしの理想です(ある部分においてよ)。
まとめ
半分以上、キンブリーについてでしたが、『鋼の錬金術師 完結編 復習者スカー』の記事でした。
次回作『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』が2022.6.24公開ということで、山田裕貴asキンブリーに期待をしたいと思います。
ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。
コメント