【映画監督】特集 映画監督で選ぶおすすめ作品5選【おすすめ】

映画監督で選ぶおすすめ作品と題しまして、この記事ではわたしの好きな5人の映画監督と、それぞれの作品を紹介します。

ほとんど”渋い”作品になったと思っております。大爆発がおこることも、華やかなダンスを舞うことも、血しぶきがあがることもなく、ただただ人間のドラマを突き詰めた作品で揃いました。

観ていて楽しー!とはならないけれど、ジワジワとくる感動や味わい深い余韻が残るような映画ですので、気になった作品がありましたら、ぜひとも観ていただければ幸いです。

ハル・ハートリー監督『アンビリーバブル・トゥルース』

出典:IMDb

あらすじ・解説

ニューヨーク・インディペンデント映画界を代表する映画作家ハル・ハートリーが1989年に発表した長編デビュー作で、刑務所帰りの青年と17歳の少女の恋をオフビートなタッチでつづったラブストーリー。ニューヨーク郊外の住宅地リンデンハースト。刑務所から出所してこの街に舞い戻ってきた青年ジョシュは、腕を買われて自動車整備工場で働くことに。工場経営者の娘オードリーは、ミステリアスな魅力を持つジョシュに惹かれていくが……。日本では1991年に「ニューヨーク・ラブストーリー」のタイトルでビデオ発売され、2014年にハートリー監督作4作品を集めた特集上映で劇場初公開。

引用:映画com

執筆者memo

ハル・ハートリー監督作品です。アメリカのインディーズ映画界を代表する映画監督。

この監督の特徴としましては、わたしたちが身近に感じているような物事を、コミカルに、それでいて哲学チックに切り込む。…といえると思います。

いままで言語化することは出来ていなかったけれど、たしかに感じていた違和感や不満なんかを、哀愁あるキャラクターがそのまま語っている。

そうそう、それわたしも思ってた!っていうアハ体験がいくつもあるんですよね。

本作『アンビリーバブル・トゥルース』は、ハル・ハートリー監督の初長編作品です。お金のことばっかり考える打算的な人間にかこまれて生きるある男女の物語。そんな境遇だからこそ、一等輝くお金以外のすばらしいもの。それが何かを、二人の交流を通して気づかされます。

詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『アンビリーバブル・トゥルース』信頼もしくは合理性【ハル・ハートリー監督作品】

詳細情報

原題:The Unbelievable Truth
監督:ハル・ハートリー
脚本:ハル・ハートリー
出演:エイドリアン・シェリー
   ロバート・バーク
制作年:1989年
制作国:アメリカ
時間:97分

クシシュトフ・キェシロフスキ監督『トリコロール 赤の愛』

あらすじ・解説

ポーランドの巨匠クシシュトフ・キエシロフスキー監督による、青、白、赤のフランス国旗をモチーフにした三部作「トリコロール」の第3作。モデルをしているバランティーヌは、盗聴が趣味の初老の男と出会う。盗聴をやめるよう必死に説得するバランティーヌに、男は心を動かされ始める。一方バランティーヌは、遠距離恋愛の彼との距離を感じ始めていた。主演は「ふたりのベロニカ」のイレーヌ・ジャコブ。

引用:映画com

執筆者memo

ポーランドの巨匠、クシシュトフ・キェシロフスキ監督によって、フランス国旗のトリコロールをモチーフにして制作されたトリコロール三部作。その三作目にあたるのが『トリコロール 赤の愛』です。

ヨーロッパの様式美が本当に美しいんですよね。わたしとしては、それだけで眼福で満足ではありますが、内容も渋く深くてよいです。物語が淡白なので、観る人を選ぶ作品かとは思いますが、ふかーいお話がこのみな方はおすすめです。

「誰の人生でも探求する価値があり、秘密と夢があると私は信じているんだ」
これは、”『デカローグ』デジタル・リマスター版予告編”の動画にある監督の言葉です。

この言葉通り、同監督の作品からは人間の諸相を探求する精神をいつも感じます。

『トリコロール 赤の愛』では、それが”対話”というかたちで表現されていますので、より実践的と言いますか、ストレートだなと思うんですね。

深い人間ドラマが好きな人は、間違いなしの作品です。

詳しくはこちらの記事でしたためています。
【映画】『トリコロール 赤の愛』愛は真実【クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品】

詳細情報

原題:Trois couleurs: Rouge
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ
   クシシュトフ・ピエシェビッチ
出演:イレーヌ・ジャコブ
   ジャン=ルイ・トランティニャン
制作年:1994年
制作国:フランス
    ポーランド
    スイス
時間:96分

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督『イゴールの約束』

出典:IMDb

解説

父に盲従していた下層階級の少年が精神的に自立していく姿を、不法移民問題をからめて描いたドラマ。監督はベルギーのドキュメンタリー畑出身のルックとジャン=ピエールのダルデンヌ兄弟で、本作が長編第3作目。主演は新人のジェレミー・レニエ。共演は「八日目」のオリヴィエ・グルメほか。カンヌ映画祭「ある視点」部門で注目され、パリで小規模公開ながらロングランを記録。

引用:映画com

執筆者memo

ベルギーの映画監督のダルデンヌ兄弟。カンヌ国際映画祭の常連で、たくさん受賞されています。

特徴としましては、ドキュメンタリー作品と見まがえるほどのリアルな物語です。徹底的に”社会の人間”を炙り出し、映しだしています。そして、いつだって主人公に据えられる人物は、弱者なんですね。

ストーキングするように長まわしのショットで人物を追い。世知辛い社会に生きる人間の傷みが痛烈に描写されます。

日本にいる私としては、事情も街も顔もだいぶ違う、けれど共感できてしまう。それは同監督が描いているのが人間の普遍的な情緒だからであって、そのことに国境を越えて人は手をとりあうことが出来るかもしれないという可能性だって抱ける。

本作『イゴールの約束』もまた、日本ではない国での物語ではあるけれど、わたしにも馴染みのある”決別”という意志についての物語です。

みなさんも絶対に共感できます。

詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『イゴールの約束』『ロゼッタ』感想【ダルデンヌ監督作品】

詳細情報

原題:La Promesse
監督:リュック・ダルデンヌ
   ジャン=ピエール・ダルデンヌ
脚本:リュック・ダルデンヌ
   ジャン=ピエール・ダルデンヌ
   レオン・ミショー
   アルフォンス・バドロ
出演:ジェレミー・レニエ
   オリピエ・グルメ
制作年:1996年
制作国:ベルギー
    フランス
    ルクセンブルク
    チュニジア
時間:93分

岩井俊二監督『四月物語』

出典:IMDb

あらすじ・解説

「Love Letter」「スワロウテイル」の岩井俊二が、本作が映画初主演となる松たか子演じる女子大生の淡い恋心を描いた青春ドラマ。北海道の親元を離れ、大学に通うために上京した卯月。新しい人々との出会いなど小さな冒険の中で、卯月は東京の生活に少しずつ慣れていく。そんな彼女には、憧れの先輩と同じ大学を選んだという人には言えない不純な動機があった。

引用:映画.com

執筆者memo

岩井俊二監督の『四月物語』、今作は松たか子さんの初主演作でもあります。上京したばかりの大学生・卯月の機微を、岩井マジック(的なもの)で華麗に描かれています。

勝手に言いました”岩井マジック”ですが、ほんとうにあると思うんですよね。なんだこの懐かしい気持ちは!ってなるやつです、昔のCMとかみるとなるやつです。あの感覚が、どの岩井俊二監督作品にも共通して生じるから、ほんとうにマジックですよ。

それが特徴だと思うんですが、これはわたしでは言語化できないので、みなさんの体で感じていただけたらと思います。

とりあえずキーワードは”郷愁”でしょうか。あの時、あの場所、誰にでもある懐かしいものたち。思い出したくないことも、忘れたくないこともひっくるめたその全部。

岩井俊二監督作品とそれらが調和していくのが心地いいんですよね。

わたしだけだったら申し訳ありません。

詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『四月物語』実現される私の物語【岩井俊二監督作品】

詳細情報

監督:岩井俊二
脚本:岩井俊二
出演:松たか子
   田辺誠一
   藤井かほり
制作年:1998年
制作国:日本
時間:80分

石田祐康監督『雨を告げる漂流団地』

(C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ

あらすじ・解説

姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽は小学6年生になり、近頃は航祐の祖父・安次が亡くなったことをきっかけに関係がギクシャクしていた。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地はかつて航祐と夏芽が育った、思い出の家だった。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、のっぽという名の謎の少年の存在について聞かされる。すると突然、不思議な現象が起こり、気が付くと周囲は一面の大海原になっていた。海を漂流する団地の中で、航祐たちは力を合わせてサバイバル生活を送ることになるが……。
「ペンギン・ハイウェイ」「泣きたい私は猫をかぶる」を手がけたスタジオコロリドによる長編アニメーション第3作。取り壊しの進む団地に入り込み、不思議な現象によって団地ごと海を漂流することになった小学6年生の少年少女たちが繰り広げるひと夏の別れの旅を描く。
監督はこれが長編2作目となる、「ペンギン・ハイウェイ」の石田祐康。2022年9月16日から劇場公開と同時にNetflixで配信。

引用:映画.com

執筆者memo

石田祐康監督はアニメーション作品を手掛ける方ですね。YouTubeでショートアニメの作品が観れます。

特徴は”子どもの躍動”です。
石田監督のすべての作品で共通していることが、主要人物が決まって”子ども”ということ。だからこそ、とってもまっすぐで透き通った純粋な物語が多いんですよね。

その純粋さに、人間として大切”だった”ものが刺激され、初心に戻れる感覚があるんです。子ども騙しと侮るなかれ、大人になったからこその苦しみは、純粋だった”あの感情”をもってして払拭できたりもするんじゃないかと。

なので、大人だからこその感動もあると思うんですよね。

本作『雨を告げる漂流団地』では、まさに過去や未来といった時間軸がテーマになっていますので、あの頃の爽快感を思い出しながら鑑賞していただくとよいかもしれません。

詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『雨を告げる漂流団地』漂流した、過去と未来の狭間で【石田祐康監督作品】

詳細情報

監督:石田祐康
脚本:石田祐康
   森ハヤシ
声優:田村睦心
   瀬戸麻沙美
   村瀬歩
制作年:2022年
制作国:日本
時間:120分

まとめ

わたしの好きな映画監督でおすすめ映画を5つ紹介しました。

この記事もそうですが、この映画ブログ「心と映画と」でとりあげます映画も、ヒューマンドラマが多いので、やっぱりわたしは人間なんだなって思う次第です。

なんの映画を観るかを選ぶ際に、わたしは映画監督でよく決めるのですが、そういう観方をしてると、その監督ならではの表現がみえてきたりして、そういうのも楽しいものですね。

みなさんも、ぜひお試しあれ。

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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