【映画】『ブルーバレンタイン』ほか、恋に翻弄される男【ライアン・ゴズリング出演作品】

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ライアン・ゴズリング出演の映画2作品を紹介する記事となります。

”恋に翻弄される男”と題しまして、ラブロマンス映画を取り上げます！
執筆者はライアン・ゴズリング（以降、ゴズ）が大好きでして、中学生の頃から、『君に読む物語』『ブルーバレンタイン』など、我ながらませているな…と思える恋愛ものを繰り返し鑑賞していました。それだけにゴズへの親近感は、いまなお色褪せていません。

演技の幅もすごいんですよね。コミカルな仕草から、神妙な面持ちまでお手の物。なかでも落涙を要求されるシーンでのゴズの演技がたまりません。『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ』では無表情→落涙ってのがありまして、「さすが、役者だな～」ってなりました。（物語に登場するブラットリー・クーパーのエレベーター内の演技も好き）

それでは、ライアン・ゴズリング出演作品の3つをご紹介していきます～

（※おおいに執筆者の主観がまじっていることをご留意ください）

（音声はこちら→『ブルーバレンタイン』ほか、恋に翻弄される男【ライアン・ゴズリング出演作品】）

『ブルーバレンタイン』

あらすじ

仕事が芳しくないディーンと、長年の勉強の末に資格を取り、病院で忙しく働くシンディの夫婦は、娘のフランキーと3人暮らし。2人はお互いに相手に不満を抱えていたが、それを口に出せば平和な日常が崩れてしまうことを恐れていた……。
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恋の変遷

「若かりし日の恋」と「愛なき夫婦生活」の過去と現在を交錯させて描くラブロマンスです。「その人がいれば、ほかには何もいらない」と思えるほど恋焦がれていた日々も、時間の変遷により、やがては失われていく。そのリアルを惜しげもなく追及した本作。

2人の出逢いのシーンの美しさたるや！
「ふと、目があって静止する」好きなシーンがあります。からのディーンのナンパ。まんざらでもないシンディの戸惑いと期待をないまぜにした表情も最高。恋のはじまりというものは、いつも美しいものです。おちゃらけゴズと執筆者がこれまた大好きな激かわミシェルウィリアムズ。眼福、眼福…。

しかし、それも永くは続きません。
変化の無常、その好敵手である愛を描く物語だから。

微笑み、語らう若き日の2人、からのラブホで沈黙する夫婦の2人…
何がそうさせたのか。シンディの幻滅か、ディーンの怠惰か。

ともあれ、あの頃の愛は、昔のものとなり、いま彼らを繋ぐのは、一人娘のフランキーの存在。ただ、それも危うい状況…。結婚生活とは、恋愛→協力、ドーパミン→オキシトシンと言われますが、うまく移行できてない感があります。

怖ろしい恋愛の変遷を描いた物語ですが、私はこの物語がたいへん美しいものだと感じております。

なぜなら、本作のような映画を観ても、「恋愛したい…」という想いは決してなくならないからであります。恋愛のリアル（おそらく真実に近いものだと思う）を観てもなお、若かりし日のディーンとシンディに憧れてしまう。

すなわち、
「恋は終わる」という事実を知りながら、それでも「恋に価値がある」と思える。

そんなことを感じさせてくれる映画です。

『ドライヴ』

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あらすじ

天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”（ライアン・ゴズリング）は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手という2つの顔をもっていた。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン（キャリー・マリガン）と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。次第に親しくなっていく2人だったが、ある日、アイリーンの夫スタンダード（オスカー・アイザック）が、服役を終え戻ってきた。アイリーンは、ドライバーに心を残しながらも家族を守る選択をし、ドライバーも一旦は身を引き、家族から距離を置く。しかし、ある晩、ガレージで血まみれで倒れているスタンダードを発見。服役中の用心棒代として多額の借金を負ったスタンダードは、マフィアから妻子の命を盾に、強盗をするよう脅されていたのだ。絶体絶命のスタンダードは、ドライバーに助けを求め……。
Filmarks

続きまして、「かっこいいゴズ」を堪能できる『ドライヴ』のご紹介。

ちゃんと二枚目を演じることもできるゴズ。中でも本作はピカイチ！かっこいい人は誰ですか？と質問されたら、このゴズをすぐ思い浮かべるでしょう。

昼はスタントマン＆自動車修理工、夜は強盗を手助けるドライバー。『ブルーバレンタイン』のおちゃらけゴズから一転、今作はクールゴズを拝めます。

やっぱり、こちらも
共通項としてあるのは「恋」。
恋愛似合うなゴズ…。

話は、至ってシンプル。好きな女性とその息子を命がけで守ろうとする男の物語です。ヒーロー映画やドラマが盛況である現代。宇宙人と戦いはしない等身大のヒーローもいいじゃないと思える作品で、すごく身近でリアルなんですよね。”命がけ”ってマジかよ。と思われるかもしれません。ですがマジなんです。

好きになったら、その相手のために、何でもやれてしまう。と、思うことありませんか？
今作のゴズは、その意思を静かに抱いています。

そうなってしまっても仕方がないなと思える素敵なシーンがあります。隣人のアイリーン宅にはじめて訪れたときの2人の掛け合い、表情を見れば一目瞭然。「あっ、この2人、いま、恋はじまったは…」と確定する”見つめ合う”2人。凄まじく美しい…。

ただ、見つめ合う。なんてことない状況でも、映画で観ると崇高にみえてしまうのは何故だろう。いや、見つめ合うことってわりかし現実でもないことなのかもしれない。さらにいえば思いを寄せる人とのそんな状況というものは。ですが、立ち会えたときのあの感じ、あの不思議。たまりませんね。

今作で描かれたのは、私の解釈としては、
「愛ある日常」と「死のリアル」です。

愛ある日常に”死”を介在させる。やはり、それはリアルなことですし、”死”があるからこそ愛が尊ばれるというもの。人を好きにはならずにはいられないし、不死などありえない。終わりを覚悟しながらも、たしかな愛の時間を刻む人間の営みを見ると、人生捨てたもんじゃないと思えます。

ゆえに、命がけはマジ。

このマジさ加減が、クールゴズの姿に反映され、行動に駆り立てます。