【Amazonオリジナルドラマ】『モダン・ラブ』season2 episode6 感想

© 2021Amazon Studios
計画どおりにはいかない、
だから変化を愛そう。

amazon prime videoオリジナル作品『モダン・ラブ season2』を鑑賞しました。海外のドラマはひとつのシーズンでまとまりのある物語ですが、今作はエピソードごとに独立したオムニバス作品です。

多様な愛のかたちをやさしく、本当にやさしく描いているので、万人におすすめできますこの”やさしさ”は『シング・ストリート』や『ONCEダブリンの街角で』のジョン・カーニーが制作に携わっているのが要因のひとつなんじゃないかなと。

やさしさに包まれること間違いなしのラブロマンスドラマ!

それでは、今回はそのなかでもチョー共感したseason2 ep6の感想を記していきます。

(※ネタばれ含みます、おおいに執筆者の主観がまじっていることをご留意ください)

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あらすじ

俺はある日、メンタルクリニックの待合室で診察を待っていた。そこで赤ん坊を連れた女性に遭遇。最初は誰だか分からなかったが、ふと思い出しこう尋ねた。「君は、俺の妻の不倫相手の奥さん?」すると彼女は言った。「ええ。でも私たちもう別れたの」。

© 2021 Amazon Studios ストーリー

不倫被害にあったスペンス、離婚も快諾できないままダラダラとすごす日々が続いていたそんなある日、メンタルクリニックの待合室でイザベルと出会う。その女性は妻の不倫相手の奥さんだった。

ってところまでがアバンタイトルでして、そこから傷をおった者同士の物語が進んでいきます。

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計画どおりな人生?

この物語で感じたことは、計画の脆さと変化の愛おしさです。

人生は計画どおりにはいかない、当然のようにわかっていることのようですが、案外、理想にしがみついてしまったり、思いどおりにならなかったことを今でも後悔してしまうことがあるのではないでしょうか。

計画への固執は、視野をせばめ、あり得たはずの可能性を阻みます。

スペンスはもろに、計画を重んじます。交友時間、子どもの数、オーロラを見に行くなど、数年後のことまで計画をたてている。退役軍人であるがゆえに、計画し実行することのマインドが刷り込まれたような人物です。

そこに計画の範疇をぶっちぎる出来事、「離婚」を求められる。計画にない現状を受け入れられないスペンス。一方、対比的にイザベルが描かれます。不倫についてを旦那に問いただし、言いたいことをいい、そしてつぎにスペンスと会う時には離婚をしている。

スペンスとイザベルは同じ境遇、立場ですが行動が違います。

スペンス → 変化しない
イザベル → 変化する

立場は同じでも、変化を許容できる人とそうでない人とで、行動が違ってくる。スペンスの杓子定規がイザベルとの対話をとおして、少しずつほだされていく。この過程がたまらなく愛おしかったです。

作中スペンスがイザベルの頼みごとをうけ、家事を助ける描写があります。
・つかない電気をなおす
・つまった配管をなおす
電気をなおすシーンでは点灯に心から喜ぶイザベルですが、スペンスは微笑む程度。その表情をみたイザベルが少し悲しんだ様子が映されます。

この両者の「リアクションの違い=変化への感度」をあらわしているように思います。このシーンでスペンスが変化に喜べない心情を描写しているのですね。

それでも事実として、イザベルの家事、すなわち日常にスペンスは幾度となく変化をもたらしているのです。

そしてきわめつけはデートに誘うシーン。この瞬間がとても美しいんです。イザベルの表情も美しい。誘われた喜びと、スペンスの変化の兆しを感じた喜びの表情でしょう。

デート当日、イザベルの赤ん坊が熱をだし、とりやめになります。お見舞いに行ったスペンスはイザベルに(こんな感じなことを)言われます。

「わたしが選択を誤っていたらこの子は大変な目にあった」

(「わたしの計画が誤っていたらこの子は大変な目にあった」)

この出来事でスペンスは悟ります。
「人生は計画どおりにはいかない」と。

このあと、スペンスが夜の道を歩くシーンが白眉!いままで、着てきたであろう仕事着を脱ぎ、かなぐり捨てながら歩く。ここが美しいシーンのひとつで、スペンスの変化の覚悟と変化してきたという事実が伝わってきます。そして、その変化の過程には「があった」ということを感じているように思います。

喪失という変化が、あらたな愛の兆しをおもわせる。変化しつづけることは、なにかを愛するためにあるのかもしれません。

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まとめ

「変化すること」の重要性を考えさせる作品です。

人は現状維持がデフォルト。
だから、変化には苦痛が伴う。
それでも、愛のために変化する。
って感じでしょうか、かっこよく言うと。

・なにかに囚われている人
・なにかに一歩踏み出せない人
にぜひ鑑賞していただきたい作品です!

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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