【書籍】『批評の教室』映画批評をめざして

ブログを運営しはじめ、最近ようやく記事執筆に慣れてきたところであります。映画が大好きなので、ブログでは映画についてをつらつらと書いているのですが。

楽しい VS 大変

せめぎあっておりますー。

映画のことであればなんでも書ける!と、意気込んではじめたのですが、わりと言語化って難しい。

ネット上にはさまざまな「感想」や「批評」があげられていて、「これくらいなら私だってやれば余裕だ」と思っていましたが、ぜんぜん余裕でないことを実感し、継続して映画レビューなどされている人に敬意をはらえるようになったのと同時に、わたしも本気で頑張りたいと思いました!

そして、批評のプロから学ぼうと思い、手に取りました書籍が…

批評の教室
(著)北村紗衣、(出)ちくま新書

この本を読み、映画を観るのは当然おもしろいけど、映画を語るのだっておもしろい!そして深い!ということを学べました。映画のみではなく、演劇や小説に共通する批評のノウハウがわかりやすく書いてあります。

今回はこの書籍でとくになるほど!ってなった部分についてを記していきます。

紹介というよりも、わたしの記録に近いものとなりますのであしからず。

(※ブログ運営者の主観がまじっていることをご留意ください)

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チョウのように読み、ハチのように書く

この本の副題に以下の一節が表記されていました。

チョウのように読み、ハチのように書く

これはモハメド・アリのボクシングスタイルを形容した「蝶のように舞い、蜂のように刺す」を批評として、もじったものです。

便宜上、”読み”になっていますが、映画や演劇の”観る”としてもOK。

映画評として考えると…

チョウのように読み
→ 作品の全体、背景を知る
ハチのように書く
→ ポイントを絞り、深ぼり、ひろげる

ということだと解釈しました。

たしかに映画に詳しい方のレビューなどは、一つの作品からあらゆる他作品、学問にはなしを展開し、その作品を語っている(「間テクスト性」という専門用語があるんだって)。→これがチョウのように読み。

また、初心者は全体的に語るのは難しいけど、ひとつに着眼して語るのはできるよねってことで→ハチのように書くが推奨されていました。

なるほど。チョウは、たくさん映画を観て、それにまつわる歴史や宗教を学ぶことが不可欠ってことになります。一方ハチは、映画単体でもできそうですね。ハードルが低い。

初心者はまず、ハチになることを意識してみたらいいのかもしれませんね。

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現実世界と虚構世界

現実世界と虚構世界の違いについても書いてあっておもしろかったです。

現実世界→虚構世界いがいの世界
虚構世界→映画や小説などのフィクション

著者はここでストーキングについてを書いてまして、虚構世界ではストーキングが許され、むしろ評価されるとありました。

たしかに現実世界では、人物の表情をまじまじとみる機会も少ないと思いますし、あやしまれます。しかし、映画のばあいはどうか、むしろそうした行為をしない限り、作品を解釈するのが難しい。

虚構世界を探求するわたしたちはストーカーであり、批評はストーキングに言い換えることができると。

おもしろいー!

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白いウサギを追え

「白いウサギを追え」

イギリス文学の『不思議の国のアリス』では、アリスが白いうさぎを追うことで、不思議な国への旅がはじまります。映画批評においても、アリスのように手がかり(白いうさぎ)を見つけたら、とりあえず深堀せよと。手がかりは、モチーフだと思えるものでもいいし、なんども繰り返しうつされるものでいい。自分が着眼したものに注意をはらいそこから連想させる
そうすることで、独創的な気づきが築かれていく。

「ハチのように書く」に重なりますね。

わたしのような初心者はとりあえず、ひとつのポイントを深堀、そこから作品が言わんとすることを解釈しひろげる…というやり方が試せそうですね。

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まとめ

書籍『批評の教室』について記しました。

映画に思いふけり、心を耽溺させているだけで紡がれていく文字を文章にしていくときの高揚感は、なににも代えがたいものがあります。その心地よさを保ったまま、”批評”ができるその日まで、誠実に向き合っていきたいと、あらためて思えました。

・なにかを説明したい、紹介したい、感想を書きたいと思ってる人
・ゆくゆくは批評をしたいと思っている人

初心者にやさしい本でしたのでぜひ、手に取ってみてください。

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

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