
ある騎士が、名誉を得るため旅に出る。
しかし、
待ち受けるのは冒険譚というには程遠い、
残酷と淫靡にまみれた凡庸な日々だった。
旅の仲間には出会わず、
葡萄酒に溺れるひと時もなく、
竜が守りし金鉱脈も見当たらない。
苔むす険阻な山路を、
不快な微風に撫でられながら進むのみ。
ここにあるのは、無言の時間と蹄の音。
剣は静かに暗闇と同衾している。
善意が嘲笑の的となり、
言動のための源泉は汚染され、
人生の意味を喪う。
秩序ある世界は忽ちに堕し、
残骸と醜態だけが根を張り
自然の滋養となっていく。
そして今日も、幼女の脚が押し開かれる。
欲望との戯れは、
光を求めたあげくに死ぬ
マイマイガのそれだ。
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