当ブログ執筆者の独断と偏見によるイチオシ作品を紹介する記事となります。
「人生を彩る物語」と題しまして、10の物語(映画×7、ドラマ×3)を載せました。
愛や夢、希望や勇気、人が生きていくうえで大切なこれら抽象概念を彷彿とするような作品ばかりで揃っております。
映画の人物が自分の想っていたことを語ってくれたときの感動。映画の物語が自分の理想と重なったときの感動。
映画が留める美しいものたち。
ぜひ、この記事を参考にそんな感動と出会ってください。
(音声はこちら→【映画&ドラマ】特集 「人生を彩る物語 10選」【おすすめ】)
映画
『(500)日のサマー』
あらすじ・解説
建築家を夢見つつもグリーティング・カード会社で働くトムは、社長秘書として入社してきたサマーに一目ぼれをする。運命の恋を信じるトムは果敢にアタックし、遂に一夜を共にするのだが、サマーにとってトムは運命の人ではなく、ただの「友だち」でしかなかった。そんな、トムとサマーの500日の出来事を軽快に描くビター・スウィートなラブコメディ。主演は「G.I.ジョー」のジョセフ・ゴードン=レビットと「ハプニング」のズーイー・デシャネル。監督はCMやミュージック・クリップなどで活躍する映像作家のマーク・ウェブ。
映画.com
執筆者memo
トムとサマー、2人を愛して10年以上経ちました。彼らへの愛おしさは色あせることなく、むしろ大人になるにつれ愛情が大きくなっているのを感じます。
BOY meets GIRLの500日を描いたビターなラブロマンス。
「愛する」とは、どういうことなのかの示唆を与えてくれる本作は、私の犯したあらゆる罪と恥を思い起こさせ、同時に、今ある私の想いをより鮮明に象ります。
トムの受動的な態度も
サマーの自由と愛の相克への葛藤も
私が私の人生で抱いてきた感情に重なります。そして、ひとつの答えを提示します。
俳優・池松壮亮さんのあるプロデューサーとの対談の場に足を運んだことがあります。
印象に残る言葉がありました。
「人を愛してみよう」というもの。
会話の内容は忘れてしまいましたが、この言葉だけは確かに覚えています。
心理学者・エーリッヒ・フロムの書籍には、愛は能動的な行動のことであると記されています。ナルシシズムを克服したあとの、内発的な情緒の賜物が愛である、そんな教訓だと解釈しております。
(95)日目、この映画のなかで一番好きなシーンです。トムが自身の「愛」を語ります。サマーはそんなトムの表情を嬉々として見つめます。
人にある確かな「愛」を目の当たりにすることのできる感動的なシーン。ぜひ観てほしい。
偶然なんてありえない、愛は必然。そんなメッセージが込められた物語なのだと思います。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『(500)日のサマー』トム&サマーのまなざし【伝説の95日目】
詳細情報
原題:(500) DAYS OF SUMMER
監督:マーク・ウェブ
脚本:スコット・ノイスタッター
マイケル・H・ウェバー
出演:ジョセフ・ゴードン=レビット
ズーイー・デシャネル
クロエ・グレース・モレッツ
制作年:2009年
制作国:アメリカ
時間:96分
『静かなる叫び』
あらすじ・解説
「プリズナーズ」「ボーダーライン」などを手がけ、「ブレードランナー」続編のメガホンも託されるなど、ハリウッドで注目を集める気鋭監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが2009年に故郷カナダで手がけた作品で、モントリオール理工科大学で実際に起きた銃乱射事件をモチーフに描いた社会派ドラマ。1989年12月6日、モントリオール理工科大学に通う女子学生ヴァレリーと友人の男子学生ジャン=フランソワは、いつも通りの1日を送っていた。しかし突然、1人の男子学生がライフル銃を携えて構内に乱入し、女子学生だけを狙って次々と発砲を開始。犯人は14人もの女子学生を殺害し、自らも命を断つ。ヴァレリーは重傷を負ったものの何とか生還し、ジャン=フランソワは負傷した女子学生を救う。それぞれ心に深い傷を負った2人は、その後も続く非日常の中で苦悩にさいなまれるが……。
映画.com
執筆者memo
私に衝撃を与えた作品。
映画が人にもたらしうる影響がたしかにあるということを実感させてくれます。
カナダのモントリオール理工科大学で実際におきた銃乱射事件をモチーフに制作された本作は、「希望」を描いた物語であると解釈しております。
人間の憎悪と悲哀を着々と積み上げながら、それでも希望の灯る可能性が示される。
主要人物3人のまなざしを通して、私たち人間が抱くあらゆる可能性が提示され、選択を投げかけてくるかのようなメッセージを感じます。
ヴァレリーが洗面所の鏡の前で、自身と対峙するシーンがとても美しい。
人生から選択を迫られている自分。まなざしを何に向けるのか。
「希望」は手放さないでほしい。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『静かなる叫び』その瞳のさきに【ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品】
詳細情報
原題:Polytechnique
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
ジャック・ダビット
出演:マキシム・ゴーデッド
セバスティアン・ユベルドー
カリーヌ・バナッス
エブリーヌ・ブロシュ
制作年:2009年
制作国:カナダ
時間:77分
『ビューティフル・デイ』
あらすじ・解説
「ザ・マスター」「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」などの実力派俳優ホアキン・フェニックスと「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督がタッグを組み、第70回カンヌ国際映画祭で男優賞と脚本賞をダブル受賞したクライムスリラー。トラウマを抱え、暴力を恐れない元軍人のジョー。年老いた母と暮らす彼は、行方不明の少女たちを捜し出す報酬で生計を立てていた。そんな彼のもとに、政治家の娘ニーナを捜してほしいとの依頼が舞い込む。しかし見つけ出したニーナは、怯える様子もなく人形のように感情を失っていた。やがてニーナはジョーの目の前で再びさらわれてしまい……。ラムジー監督の前作「少年は残酷な弓を射る」も担当した「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今作でも引き続き音楽を手がけた。
映画.com
執筆者memo
「存在」についての物語と解釈しています。
アクションシーンすらもモノクロで映すほど淡白な映像が、ジョーの無気力と重ね合わさります。しかし、顔に赤い血をあびる中盤の展開から、不在のジョーが存在し始める。
ニーナの存在が、ジョーを存在たらしめる。
お互いが存在し合うことの尊さ、を描いた作品は当ブログでよくとりあげています。
『パンチドランク・ラブ』
『都会のアリス』
『このサイテーな世界の終わり』
そのテーマ性を引き継ぐ今作は…
「死(=不在)」を絶えず物語に横たわらせることで、より一層「存在」の尊さを際立たせるのに成功しています。
余計な要素を限りなく省いたスタイリッシュな作りでいて、強烈なメッセージも残している。映画というものが、映像で語るものであるということにも気づかされる秀逸な作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『ビューディフル・デイ』生きながらにして”死”んでいる【リン・ラムジー監督作品】
詳細情報
原題:You Were Never Really Here
監督:リン・ラムジー
脚本:リン・ラムジー
出演:ホアキン・フェニックス
エカテリーナ・サムソノフ
ジュディス・ロバーツ
ジョン・ドーマン
制作年:2017年
制作国:イギリス
時間:90分
『アメリカン・ビューティー』
あらすじ
郊外の一軒家で妻と一人娘と共に暮らす普通のサラリーマン、レスター・バーナム。しかし会社からリストラを宣告され、娘の同級生に恋をしてしまったことから彼の生活は一変。たがが外れたかのように好き勝手な生活をはじめるが、同時に家族も壊れていき…。
U-NEXTより
執筆者memo
人間の「表層」と「深層」をうまく描いたヒューマンドラマ。
サム・メンデス監督作品には共通して「理想と現実」というテーマ性を帯びています。
華々しい理想と生々しい現実を同居させることで生じる人間の葛藤が描かれる。そんなテーマ性が如実に示されたのが今作でありまして、「表層」を着飾る人物の抱える「深層」の闇。それが転じて巻き起こる喜劇と悲劇のアンサンブルが面白くかつ含蓄のあるメッセージが込められているように思います。
リッキーという人物に惹かれます。
「理想」を追い求める人物が占める物語の中で、はじめから彼は「現実」を見つめているんです。「理想」を諦めているのではなく、「現実」を肯定している。華々しい幻想に気を取られる人々に「現実」にこそある美に気づかせてくれる。
「現代」を生きる人々に、とくにおすすめしたい作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『アメリカン・ビューティー』”現実”にこそある美の数々【サム・メンデス監督作品】
詳細情報
原題:American Beauty
監督:サム・メンデス
脚本:アラン・ボール
出演:ケビン・スペイシー
アネット・ベニング
ソーラ・バーチ
ウェス・ベントリー
ミーナ・スバーリ
制作年:1999年
制作国:アメリカ
時間:117分
『ブラック・フォン』
あらすじ・解説
「ドクター・ストレンジ」「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソンが監督、「透明人間」「ゲット・アウト」などスリラー作品の話題作を多数送り出しているジェイソン・ブラムが製作を手がけたサイコスリラー。コロラド州デンバー北部のとある町で、子どもの連続失踪事件が起きていた。気が小さい少年フィニーは、ある日の学校の帰り道、マジシャンだという男に「手品を見せてあげる」と声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気が付くと地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突然、フィニーの前で断線しているはずの黒電話が鳴り響く。一方、行方不明になった兄フィニーを捜す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な夢を見る。原作はジョー・ヒルの短編小説「黒電話」。
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執筆者memo
ホラー×ジュブナイルものにハズレはなし、という法則を肯定してくれる物語。
内向的なフィニーが誘拐事件の被害者となるお話しでして、グラバーという奇怪な誘拐犯とのサスペンスホラーではあるものの、私としましては人間ドラマの内容にたいへん共感させられました。
テーマは「自律」です。
誘拐事件の前と後のドラマをしっかりと描写することで、フィニーの心の成長を描いています。
自ら決断・行動し、力強く生きていくことの大切さを教えてくれます。
そうでなくちゃ、人を愛せないというメッセージも含まれます。
人を「愛する」ための「自律」。
何かを克服したいと思っている方に、おすすめしたい作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『ブラック・フォン』孤立と闘争【ブラムハウス作品】
詳細情報
原題:The Black Phone
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン
C・ロバート・カーギル
出演:イーサン・ホーク
メイソン・テムズ
マデリーン・マックグロウ
制作年:2022年
制作国:アメリカ
時間:104分
『天使の涙』
あらすじ・解説
「恋する惑星」のウォン・カーウァイ監督が、ネオンきらめく香港の街で男女5人が織りなす切ない恋愛模様をポップな映像で描いた群像劇。当初は「恋する惑星」の一部として描かれる予定だったエピソードを、独立した作品として完成させた。
孤独な殺し屋の男と、そのエージェントを務める女。仕事に私情を持ち込まないことが彼らの流儀だったが、2人の関係は揺らぎつつあった。一方、口がきけない青年モウは、夜ごと他人の店に入り込んで勝手に営業している。ある日、モウは失恋したばかりの女に出会い、恋心を抱く。
映画.com
執筆者memo
「もう、天使の恋はとまらない」
今作の予告編にある台詞です。この言葉の通り、疾走する恋を鮮烈に描いているような作品です。
監督はウォン・カーウァイ。『恋する惑星』のつぎに撮った作品でありまして、執筆者は2日間で2作品を立て続けに観たのですが、もうしばらくウォン・カーウァイ祭りでした。こんな素敵なラブロマンス映画をなぜ今まで観てこなかったんだーと悔やむくらい最高な作品。
全体的にぐちゃぐちゃしているんですよね、脚本も絵づくりも。それが人間のとりとめない心を表現しているかのように思えて、群像劇で展開する本作の展開とよくマッチしているように感じます。
『恋する惑星』では、「部屋」=心、という演出が施されていると解釈しましたが、『天使の涙』でも同じ試みがなされているように思います。人間の心の象徴とした「部屋」や「店」に人物を落とし込むことで、人物の人柄や感情をうまく映像で表現してみせている手腕がすごい。
人間の温もりのない人生なんて味気ない。
どんなに傷ついてしまおうが、凍え死ぬのはまっぴらだ。
美しく生きよう。
そう想わせてくれる作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【映画】『天使の涙』あの暖かさが永遠になるように【ウォン・カーウァイ監督作品】
詳細情報
原題:堕落天使 Fallen Angels
監督:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
出演:レオン・ライ
ミシェル・リー
金城武
チャーリー・ヤン
カレン・モク
制作年:1995年
制作国:香港
時間:96時間
『海がきこえる』
あらすじ・解説
高知の進学校から東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。だが、里伽子は高知の大学へ行ったのではなかったのか?初めての夏休み、同窓会のために帰省する飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻って行った。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子との思い出を振り返っていく。
wikipedia
執筆者memo
1993年に氷室冴子の小説『海がきこえる』を原作に、スタジオジブリの当時の若手スタッフで制作したテレビ放映されたアニメーション作品(便宜上、映画の項目で扱わさせてください)。
本作に登場する杜崎拓は、先述しました『(500)日のサマー』のトムと重なります。すなわち大好き。
どちらかと言えば受動的な人物で、自分の意思はちゃんとあるものの、それを表現することに消極的な性格をしております。そのためかアニメ作品も原作も、杜崎拓のモノローグが多い。そこが魅力でもあります。
そんな拓が出逢うのが武藤里佳子。サマー同様、自由奔放という言葉の似あう人物と称して差し支えないでしょう。
BOY meets GIRL、思えば私の好きな作品は、そんな「出逢い」を発端に、ある人物の心が変化していく内容のものが多いことに気づきます。
これまた大好きな漫画、久保帯人著『BLEACH』では、「心」の在り処を人と人との間としています。
人間とは、美しいものです。
人間が表現する愛情は、
やはり美しいものです。
これからもそう想えていたいと願います。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【ジブリ作品】『海がきこえる』自分の意思をとりもどす【氷室冴子原作】
詳細情報
原作:氷室冴子
監督:望月智充
声優:飛田展男
坂本洋子
関俊彦
制作年:1993年
制作国:日本
時間:72分
ドラマ
『モダン・ラブ seaon2 episode6』
あらすじ・解説
俺はある日、メンタルクリニックの待合室で診察を待っていた。そこで赤ん坊を連れた女性に遭遇。最初は誰だか分からなかったが、ふと思い出しこう尋ねた。「君は、俺の妻の不倫相手の奥さん?」すると彼女は言った。「ええ。でも私たちもう別れたの」。
Amazon Prime Video
執筆者memo
『はじまりのうた』『シング・ストリート』のジョン・カーニーが制作に携わったイギリスの恋愛ドラマ。
日本バージョンとして本作をもとにしたリメイク作品『モダン・ラブ 東京』も制作されました。どちらとも、さまざまな愛の形をオムニバス形式で物語にしているので、心温まるお話しを気軽に見ることができます。
私がおすすめしたいのは、イギリス版『モダン・ラブ』season2,episode6「こじれた夫婦の待合室」。
離婚を経験した男女が出逢い、交流を重ねることで、また新たな愛をはじめていく。そんなお話です。
人生の「計画」を重んじるスペンスに、離婚というトラブルが訪れる。計画にない事態に見舞われるなか、同じく愛の喪失にあえぐイザベルと出逢っていき…
本作の見どころは、「計画」にこだわるスペンスが「変化」の重要性に気づく部分。そこに際限なくひろがる人の可能性の美しさをみます。
「計画」は確かに抱いて生きてきたけれども、少しづつ「変化」もしてきたんだ、という当然なことの気づきを映像表現でうまく表現されたシーンがありまして、そこがたいへん秀逸でして、美しい。
「変化」を歓迎することの豊かさを教えてくれる素敵なエピソードです。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【Amazonオリジナルドラマ】『モダン・ラブ』season2 episode6 感想
詳細情報
原題:season2,episode6 In the waiting Room of Estranged Spouses
監督:ジョン・クロウリー
脚本:スーザン・スタント
出演:ギャレット・ヘドランド
アンナ・パキン
放送年:2021年
制作国:アメリカ
時間:30分
『フリーバッグ』
あらすじ・解説
皮肉屋で性欲は強め、怒りに駆られ悲嘆に暮れる。「フリーバッグ」は、現代のロンドンを生きる1人の女性の心理を描き出す、抱腹絶倒かつ辛辣なドラマである。脚本・主演は劇作家でもあるフィービー・ウォーラー=ブリッジ。差し伸べられる救いの手をことごとく拒絶し、常に虚勢を張りながらも、癒しを求めるタブー知らずの女性フリーバッグを演じる。
Amazon Prime Video
執筆者memo
フィービー・ウォーラー=ブリッジが主演と制作に携わったイギリスドラマです。
本作をみたダニエル・クレイグが『007/ノータイム・トゥ・ダイ』の制作を要請したようです。
物語は、ある女性の日常をブラックユーモア満載で描いた娯楽作。
誰もが気づく仕掛けとして、「”第四の壁”の越境」があります。物語の人物であるフリーバッグが観者に何度も語りかけてくる演出ですね。目くばせとかも含めて。そこがすごく面白いんです。
また、この演出は、フリーバッグと観者の絆醸成システムとしてうまく機能しているように思うんですね。回を追うごとに、フリーバッグに対して私たちは親近感を抱くようになる。「”第四の壁”の越境」が物語と私たちの感情をリンクさせ、フリーバッグが辿るドラマを友人として参戦しているかのような感覚に陥ります。
そのうえで、人生の喜劇と悲劇を観る。映像作品を”体験”することのできる新鮮な作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【Amazonオリジナルドラマ】『フリーバッグ』コメディでなきゃやってけない
詳細情報
原題:FLEABAG
製作総指揮:フィービー・ウォーラー・ブリッジ
脚本:フィービー・ウォーラー・ブリッジ
出演:フィービー・ウォーラー・ブリッジ
シアン・クリフォード
オリヴィア・コールマン
放送年:s1 2016年 s2 2019年
制作国:イギリス
時間:約30分(各話)
『このサイテーな世界の終わり』
あらすじ・解説
サイコパスの少年と、人生のすべてを変えたい少女が思いついたロードトリップ。けど、その道程は、思った以上に山あり谷ありで…。漫画が原作のブラックコメディ。(season1)
Filmarks
戦慄のロードトリップから2年。過去から逃れるように、新たな生活に突入しようとするアリッサ。そんな中、深い恨みを抱く1人の女性が、血生臭い報復劇を企てる。(season2)
執筆者memo
BOY meets GIRLものなら、『(500)日のサマー』『海がきこえる』と本作がまっさきに思い浮かびます。
ジェームスとアリッサがただただ愛おしい。
無気力なジェームスに対して、快活なアリッサ。2人の出逢い。
いま、したためていて気づいたのですが、上記しました物語の女性キャラクターをまとめると
『(500)日のサマー』
└サマー → 自由奔放
『海がきこえる』
└武藤里佳子 → 自由奔放
『このサイテーな世界の終わり』
└アリッサ → 快活
男性キャラクターはというと…内気。
…共通している。私の癖が覗かれるようで恥ずかしいですが、分析とはおもしろいものですね。
御託はここまでとして、本作の内容にふれますと、「存在」をテーマにした作品と解釈しています。
先述の『ビューティフル・デイ』と同様ですが、違いはユーモアも盛り込まれた娯楽作であるという部分です。おませな高校生ジェームスとアリッサの逃避行ロードトリップのさなかに巻き起こるあらゆる珍事に洒落の利いた台詞のオンパレード。
そんな2人が、人の「死」と向き合うという、ユーモアとドラマのギャップが激しい物語。喜劇の源流は悲劇であると気づきます。
爆笑できるし、愛おしい気持ちにもなれる素敵な作品です。
詳しくはこちらの記事にしたためています。
【Netflixオリジナルドラマ】『このサイテーな世界の終わり』静寂に音があると知った
詳細情報
原題:The End of the F**king World
監督:ジョナサン・エントウィッスル
脚本:チャーリー・コヴェル
出演:アレックス・ロウザー
ジェシカ・バーデン
ナオミ・アッキー
制作年:season1 2017年
season2 2018年
制作国:イギリス
時間:season1.2 各8話
約20分(1episode)
まとめ
これまで当ブログで取り上げてきた作品のなかで、とりわけ執筆者がおすすめしたい作品をまとめました。
「愛」や「存在」についての物語。
生きていくうえで、そうしたものを考えることに価値があると思います。
物語を自分の人生に照らして考えることで、何に価値をおいているのかの識別や「自由」な人生の標となる。
どう人生を彩るか。豊かなそれのために、ぜひ、この記事でおすすめした作品をご覧くださいませ。
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